コンサルタントとISO審査基準
「コンサルタントとISO審査基準」
今週は茨木県、埼玉県と関東一円を飛び回らせていただいています。
来週は、大阪一円にお邪魔する予定です。
このお話をする前に、私の経験からお話しさせていただきます。
私は、新製品開発、先端技術研究開発、大学非常勤講師、特許出願、原価管理、在庫管理、アメーバシステム、品質管理、資材、営業そして経営企画室と色々な業務を実際に体験してきました。
色々な規模の会社を経験しました。
回りから不可能と言われたり、何でそんなテーマ引き受けるのバカだなと笑われたりする、一般的に考えて誰も手をつけたがらないような極めて困難な仕事を何度も引き受け、その都度こなしてきました。
結果、なかなかもらえない社長表彰を計四回いただけけました。
なかなか普通ではできない貴重な経験を重ねてきたと思います。
とは言え、失敗も沢山しました。
失敗を恐れずに、チャレンジする精神、壁に突き当たれば何とかしてそれを乗り越える創意工夫と、不屈の精神はこのころ、実際の経験を通して養われたと思います。
元々、極めて楽天的でプラス思考しかしない性格で、困難な仕事や壁に突き当たったときは、出来ないという理由を探すことはせず、どうしたら出来るか、と言うことしか考えなかったことが良かったと思います。。
管理職になると、会社で必要な一通りの業務を経験させていただきました。
最後に経営企画室に移籍しました。
そこで感じたことは、「違う世界がある」でした。
今のコンサルタントをやりたいと思うようになった始まりです。
今までは、部門という小さな組織で、私の持っている工学知識や経験で判断し運用できましたが、全社となると違ったのです。
感情をもった人を動かすという難しさや、違う時間軸で物事を見ていかなければいけないこと、財務という重要な領域があることを、実際の体験を通じて学ばさせていただきました。
時間軸というのは、あえて具体的な時間単位で表すと、
自分を動かすときは、思えば直ぐにできます。
家族や部門という組織を動かすときは数ヶ月単位、
会社という組織を動かすなら数年単位、
国という組織を動かすなら数十年単位、
の時間軸で考えたり、見たりしないといけないということです。
組織を動かすのに、自分が動くのと同じ時間軸で考えたり、見たりしてしまうと、あせりがでて失敗したり、人がついてこれずに組織が崩壊してしまう危険があることを学びました。
経営者の方なら、毎年掛け声だおれに終わる悪循環を経験されたことはないでしょうか。社長はこうしようと言うときは、どうすれば出来るかまで見えていると思いますが、実際に活動する人たちにはそれが見えていない場合が多いと思います。言葉のいき違いが発生します。
組織を構成する人たちのレベルが、経営者のレベルと違うために、理解できないし、ついてこれないし、ついてきてくれないのです。
一応「はい、わかりました。やります」とは答えてくれますが、結果が違ったり、勝手に優先順位を入れ換えたり、直ぐに忘れてしまったり、がむしゃらに非効率に一生懸命取り組んでしまったりします。
悪気はないのですが重要な問題です。
結果、「お客様が・・・」「ほかの仕事が・・・」「だれだれさんが・・・」という、できなかったことに対し、自分以外に責任を転嫁できる、もっともらしい理由を一生懸命考えて、言い訳しようとします。
また、不平不満だけは一生懸命訴えるのに、自分から解決しようとはしない。
説明したのに、また、聞きに来る。
気付かないうちに、他責の文化におちいってしまいます。
組織はいろんな人の集まりです。
ここで、新しいことをやるときは、先ず自責の文化をつくり、これは会社のため、皆のためになることだから、やらないといけないと自身が納得し、信念をもって望めるように説明し、分からない人には歯磨き理論の幼児に接するように、その人が理解し実行できるまで繰り返し繰り返し指導していくことを学びました。
自責の文化をつくるのは、改善活動が良いと思います。不平不満があれば気が付いたらすぐ、自ら改善しようということを徹底させるのです。
また、やってもらう側としての大義名分のためにも、やってもらう側は、準備万端整えておくことの重要性も学びました。(この事が、ISO審査基準に大きく後で関係してきます)
奉仕者のような役です。
皆がそのきになって、仕事に打ち込んで結果を出してくれ、経営が安定し、皆の生活も良くなるのであれば良いのです。
会社にはそのような、無私で他利主義の奉仕者がいなければ、上手く回らないと思います。
そして、経営企画室では、改善活動導入、目標活動導入、成果主義導入検討、基幹システム導入、アメーバシステム導入、公認会計士による会計監査対応、各種社内規定作成、VAVEによる30%コストダウンブロジェクト、PL法対応、CEマーク自己宣言など経営に関するいろいろな企画に関与しました。
結果として、コンサルタントの指導をあおいだ改善活動、目標活動、カスタマイズ基幹システム、アメーバシステムは失敗しました。
理由は、コンサルタントの指導中は良いのですが、構築後にコンサルタントがこられなくなると、「お客様優先で出来ない」「仕事が忙しくて出来ない」など理由をつけてやらなくなるのです。
少し違いますが、成果主義導入検討では、評価基準が出来たので試験運用しようと、基準を公開し、意見や質問を募集した瞬間、利害感情が芽生え、驚くほど多くの人から、私利私欲がらみのギラギラした質問や不満が渦巻き、信頼関係が薄らぎ、社内の人間関係がおかしくなりだしたので実施を中止しました。
ようするに、コンサルタントにおんぶした仕組みの構築は、他責の文化になり長続きしないことがわかりました。
そこで色々調べた結果、みんなを上手く巻き込み、仕組みを定着させ、継続的に会社を成長させるには、ISOの認証取得が最適だという結論になりました。
早速提案しましたが、上層部に受け入れてもらえず、説得に3年かかりました。
ただ、品質保証部はまだ半分反対でしたが、とにかくスタートさせました。
クレームが多く処理に手一杯で、その上ISOの管理をしないといけないとなると負担が大きいというのが理由です。
品質保証部が導入推進するケースが一般的ですが、企画から導入を経営改善という観点から、経営企画室主導でスタートさせました。
完璧をきするため、マニュアルや記録様式などの参考文書を集めました。当時一冊7万円ぐらいでした。
ソフトが15万円ぐらいでした。
できる限り多くのコンサルタントや審査機関と面接し、情報を集めました。
コンサルタント会社の見積もりでは、日当に換算して20〜30万円ぐらいが一般的でした。
簡単にとらしてあげますよ、文書や記録類は代行して、つくってあげますよ、短期間でとれますよ、など色々な特徴がありました。
そんななかで、「運用するのは貴女方でしょ、私が代行して簡単に取ることは出来ますが、取られた後、私が来なくなったら、困るのは運用される貴女方ですよ、私どもはあくまでも支援です。そのかわり追加費用なしで、取られるまで追加費用なしです」というコンサルタントの方にお願いすることにしました。
経験上、コンサルタントは、会社で選ぶのではなく、人で選ぶことにしていました。
費用は約300万円でした。文書まで作りますよという会社は600万円ぐらいでした。
次は、審査機関ですが日系審査会社と外資系審査会社くまなくどんな審査をされるのか調査をしました。
基本的には同じなのですが、解釈の柔軟性で互いがあることが明らかになりました。
日系審査機関ではガチガチの解釈が一般的でした。外資系は、例えば文書とは意図した意味を相手に伝える媒体であり、写真、図、表でも良いとわかりました。日系審査機関に確認したのですが、写真、図、表を文書とするのは難しいという回答ばかりでした。当時でも見える化が進められており、手順書などは写真を多用していましたし、特別受注品などは手順書を作るムダをはぷくため、組み立て設計図をそのまま組み立て手順書や調整基準書として用いていましたので、日系審査機関の審査では審査に通らないと言うことがあり得ることがわかりました。
日系審査機関で審査を受けるためには、効率的な仕組みを、わざわざ非効率的な仕組みに作り替えなければならないという、ISO規格の意図とも相反する審査基準の矛盾を感じました。
最近はかなり改善されていますがまだ少しあるように思います。
会社が外資系であったこともあり、抵抗なく外資系の審査機関を選択しました。
グローバルにみるとやはり外資系審査機関のほうが通用しやすいです。
日系審査機関のかた、悪気はありません、私の小さな経験上の意見ですのでお許しください。
さて、マネジメントシステムの構築ですが、完璧を目指し、購入しておいた参考文書を取りだし、良いとこ取りをして作り上げました。
こんなルールが仕組みにあればいいな、あんなルールが仕組みにあればいいな、という具合いです。
文書量はかなりの量になりました。
やってもらう側の心理分析をすると、これだけ書込み明確にすれば、審査もすんなり通るだろうし、あいつ凄い奴だなと尊敬されそうだし、なにか問題が発生すれば、ここに書いてあるでしょと自分の正当性を主張できるという対策も盛り込んでおいたので、完璧だ。こちらが非難される事のない文書ができたぞという感じです。
いざ、説明会を開催し明日から実施しということになりました。
しかし、数ヶ月過ぎても定着しませんでした。定着どころか実施もされないルールが沢山ありました。
すったもんだしたあげく、考えてみると、つくったシステムが理想に近く、現場のシステムと乖離しすぎていたのが原因だとわかりました。
さて、何処まで簡略化するべきか、物凄く悩みました。
コンサルタントのアドバイスもいただき、思いきって現状レベルまで下げました。
幸いやらなくなったとはいえ、以前に構築した目標活動、不適合管理、など必要なプロセスは全て揃っていました。
ただ、ばらばらに構築したので繋がりがイマイチだったので、流れを少し見直すだけで出来上がりました。
いざ、再度の説明会を開催し、実行です。
なんとすんなりいきました。
しかも、ISOの審査だからやって下さいと言うと効果てきめん、誰もが納得してやってくれるようになりました。
それまでは、やらせる側とやる側とのギャップをよく感じたものですが、今回はそれがありません。
皆が一つになれました。
ISO取得の副産物の効果なのだと理解しました。
審査も無事に終わったとき、以下の事の意味が初めてわかりました。
ISO規格は、「なにを」しないといけないかは明確に要求していますが、「どのようにするかは」会社の戦略で決めてよいという意味がです。
そして、これが審査の基準なのです。
このISO認証取得活動が、社員の意識を変え、会社を変えてくれたことを感じました。
何よりも私をさらに成長させてくれました。
この思いを、より多くお方にお届けしたい、と今仕事をしています。
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